2018年12月11日
腸内環境を整えるためには、
今お持ちのお腹の中に住んでいる腸内細菌(善玉菌)を増やすこと。
そのためには食物繊維群、特にレジスタントスターチの摂取が一番大切です。
食物繊維群(レジスタントスターチ、水溶性・不溶性食物繊維、オリゴ糖)は、大腸に常在する、元々持っている多数の腸内細菌によって発酵分解を受けています。
発酵分解を受けることで、腸内に多くの発酵産物が生成されます、その中には、大腸上皮細胞の主要なエネルギー源となる短鎖脂肪酸の1つ、酪酸も存在、特に酪酸は、大腸の粘膜組織でほとんど消費される特徴を持つことから、腸内環境を整える上でもっとも重要な発酵産物と言われております。
食物繊維群の中でも特にレジスタントスターチ(酵素抵抗性デンプン)は、この酪酸を食品の中で一番多く産生することが判明しており、腸内環境を整える上でもっとも重要な食物繊維群(栄養素)になります。
(酪酸の重要性を垣間見る疫学の1つとして、大腸を患っている方の腸内は、酪酸濃度が低く、また便に含まれるデンプンが少ないことも判明しています。)
※食物繊維群の定義は、「食物繊維群は、大腸に常在する有用菌を増殖させる、あるいは有害な細菌の増殖を抑制することで宿主(本人)に有益な効果をもたらす難消化性食品成分」のことです。
※レジスタントスターチの定義は、「健常人の小腸管腔内において消化吸収されることのないデンプン」のことです。
レジスタントスターチと腸内環境が生み出す更なる可能性について
生体内における大腸発生水素による活性酸素過剰抑制(抗酸化作用)の可能性
そして昨今、腸内環境における食物繊維群と腸内細菌による発酵産物としてのガス成分に注目も集まっています。
そのガス成分の中の水素(H2)がとりわけ注目の成分であり、抗酸化作用の可能性が徐々に明らかになりつつあります。
食物繊維群(レジスタントスターチ、水溶性・不溶性食物繊維、オリゴ糖)、いわゆるルミナコイドは、大腸内発酵による水素生成も促進し、その水素は、呼気や放屁に排出されます。
腸内細菌は、水素を主に食からつくります。その理由は、絶食しているときは、水素産生は、非常に低く、そこへ少量の炭水化物を管で結腸へ直接注入すると水素が急に増加することからもわかります。
その生体内で発生する水素が様々な研究などで、抗酸化作用(酸化ストレス軽減、活性酸素過剰抑制作用)を持つことが示されており、栄養学、医学の世界でも食物繊維群の大腸発酵によって、生体内で水素が生成し、抗酸化作用の働きがあることが、複数の研究から徐々に明らかになってきました。まず水素が、生体内での還元性を示す理由として、食物繊維群摂取後は、体内の水素濃度が上がることなどから言え、現代社会の環境の悪化からくる活性酸素の過剰を抑制する意味でも生体内で水素が非常に有効な抗酸化分子として働くことが明らかになっております。
これから先、大腸発酵によって生成される水素が生体内での酸化障害を抑制する事実が複数の論文等で発表になるものと思われます。
※活性酸素は、生体内で組織が常に酸化反応し、活性酸素産生酵素の触媒や周囲に存在する金属イオンとの科学反応によって産生されています。これらの活性酸素がDNA、タンパク質、および脂質などの酸化に関与しています。但し、活性酸素も良い働きもしており、現代社会の環境によるストレス、紫外線、放射線、酒、タバコ、化学物質などの活性酸素の過剰が問題であり、活性酸素の過剰を抑制することが必要です。
放屁について
健康な人が、毎日直腸から放屁として出すガスの量を測定した研究によりますと、1日400~2000ミリリットルもあると言われています。よく食後にお腹が痛くなったとか、お腹が張るという方もいらっしゃいますが、これは、腸内の過剰なガスが直腸に送られるときに起こります。
また食の種類によって腸内でできるガスの量は、著しく変動します。
とくに豆類などを食べたときは多く、総カロリーの56%を大豆として摂った実験では、1時間あたりに放出される放屁の量は、平均して15から176ミリリットルにも増加したというデータもあり、様々な方法で腸内ガスの量を測定した実験では、消化管内には、通常約100ミリリットルのガスがあることが判明しています。(豆類などの食物繊維の豊富な食品の場合は、腸内細菌との発酵分解、産生の際の水素などのガスであることなどから、良い傾向である場合がほとんどです。)
腸内ガスの組成は、消化管内の部位によっても違いますが、胃内のガスの組成は、空気(窒素78%、酸素21%)に近く、あるデータでは、窒素79%、酸素17%、炭酸ガス4%となっています。
これに対して放屁のガス組成は、非常にバラツキがあり、一般的には、酸素2%以下、残りは、窒素、炭酸ガス、水素とメタンになります。
放屁のガス組成は、個人差が大きく、窒素23~80%、酸素0,1~2,3%、水素0,06~47%、メタン0~26%、炭酸ガス5,1~29%と著しく変動することが、ミネソタ大学(レビット教授)などで調査されております。その原因は、唾液と一緒にのみこむ空気の量と腸内細菌の違いによるものだと言われており、また腸内に産生される水素とメタンは、全て腸内細菌の代謝に由来することが判明しており、なぜなら人の細胞の代謝経路には、水素やメタンを出す代謝系はなく、無菌動物の腸内にはこれらのガスが検出されないからと言われております。
因みに水素、メタン、窒素、炭酸ガス、酸素は、無臭のガスですが、この他に放屁には、全体の1%にも満たない量のアンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミン、揮発性脂肪酸などの悪臭のあるガスも含まれます。
そのようなことから、放屁における悪臭は、腸内環境悪化のサインと言え、食物繊維群、とくにレジスタントスターチを摂取することが必要だと思います。
レジスタントスターチ・サプリメント「レジスタ」ページ
https://www.chounai-kankyou.com/resista/
<レジスタパンフレット>