2021年1月18日
動物との比較で考える
地面との唯一の接点である足裏/足指
その地面を蹴ってパワー・スピードに変える
つま先の力
つま先力の重要性が動物比較から見えてきます。
アスリートにおける「つま先力(足指握力/足趾把持力)」は、なぜ重要か、また動物と比較して、人間の足の構造は走ることに適しているのかを考察します。
<足指・踵 位置比較>
① 足指部 ② 中足部 ③ 踵部
<足指・踵部 比率>
① 足指部:人間18%、チンパンジー35%
② 中足部:人間30%、チンパンジー33%
③ 踵部:人間52%、チンパンジー32%
人間の足とシカの足を比較するとシカの足指は、蹄(ひづめ)になっており、蹄行性(ていこうせい)動物(馬なども)の場合、カカトの骨は、人間の膝の位置に相当する非常に高い位置に上がってる。
走るのが得意なシカと犬の足指の長さは、ほとんど変わらないが、足の形、構造がチンパンジーや人間とは明らかに違う。
そして、霊長類である人間とチンパンジーの足を比較した場合には、チンパンジーは、人間より足指が長いが、カカト部は、人間のほうが長く、大きい。
霊長類同士で比べた場合、チンパンジーの足は、足指で物を掴む能力が高く、人間の足は、カカトから地面にしっかり着地して、足指で蹴り出して歩いて前進することが優れている。
<馬と人間の走力比較>
一般的な馬:時速約60キロ
競走馬:時速約70キロ
アスリート(人間)100m走
12秒:時速 約30キロ
11秒:時速 約33キロ
10秒:時速 約36キロ
ウサインボルト9秒58(世界記録)
時速 約37キロ(トップスピード:約44キロ)
<人間における歩行と走行の違い>
歩行の場合は、片方の足が必ず着地していて、両足でカラダを支えている時間もあるが、走行の場合は、片方の足だけでカラダを支えていることが多く、両足が地面から離れて宙を飛んでいることもある。
そして胴体は、歩行の時は、ほぼ直立しているが、走行の場合は、前傾している。
歩行も走行もヒラメ筋を使うが、大殿筋については、歩行よりも走行のほうがより強く使う。
そして歩行では、カカトの外側がまず地面に着き、そして足の小指の付け根、足の親指の付け根、それから足指と中足骨のあいだの関節を曲げながら、足の親指、人差し指、中指の3本の足指で蹴り出す。つまり足の外側がまず着いて、次に内側へと足をあおって、最後に足指で蹴り出して歩くことになる。
走行時は、カカトから足底中央、そして足の親指と足の人差し指の順番で、直線的に使うことになる。
但し、つま先力(足指握力/足趾把持力)を強化、トレーニングすることで、走行において、つま先接地のみでも可能になる。
<考察>
このように人間の足は、カカトをつけずに足指で走るシカや犬とは違い、足指で走ることが困難な形状であり、シカと同じ機能を持つ、馬との走力比較においても、あきらかに差が出る、よってシカや馬、犬より、走ることに向いておらず、またチンパンジーよりもカカトが長く大きいことから、歩くことに適していることが考察できます。
しかし、この足部における動き「シカや馬、犬の行っているカカトを着くことなく走ること」を理解し、つま先をうまく使うことが出来れば、人間同士の競い合いの上で、優位に立つことも可能であり、そのためには、つま先力、足指握力(足趾把持力)を強化するすることが重要になると考えられます。
現代のスポーツ競技に例えると、陸上競技で使われる言葉としての「フォアフット走法」「フォアフット接地」、いわゆる足が地面に接地する時にカカトからではなく、足裏の前部分、もしくはつま先から接地する方法(個々のスポーツ競技や武道でも無意識にフォアフット、踵を着かずに地面反力を利用して、つま先力で行っていること)を意識し、つま先力(足指握力/足趾把持力)を強化、トレーニングすることは、全てのスポーツ競技、武道において必須の力と言えます。
ワシーガトウズは、フォアフット/フォアフット走法を習得するための練習、またフォアフット/フォアフット走法のトレーニングなどに最適です。
※フォアフット走法、フォアフット接地の練習は、ケガ・故障に繋がる恐れもあります、ご注意ください。(合う、合わないなど個人差があります)
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