2024年1月2日
なぜ健康には「レジスタ(湿熱処理済レジスタントスターチ:RS)」
が良いのかを改めて説明させていただきます。
原理原則として、基本的に食品や健康食品(サプリメント)は、口から入れると食道を通り、胃で分解され小腸で吸収され栄養分配されます、そして食物繊維群(ルミナコイド)などの小腸で吸収されないものが大腸に運ばれ、大腸に主に存在する誰もが生まれた時から持っている腸内細菌を元気にし、増やします。
そして食物繊維群(ルミナコイド)は、大腸で腸内細菌に分解されることで、人体に有益な物質を生み出します、その代表的なものが短鎖脂肪酸であり、大きく酢酸、プロピオン酸、酪酸などを生み出します。
短鎖脂肪酸以外にも様々な有益な物資が生み出されますが、特にその中で生み出された短鎖脂肪酸の酪酸が上皮細胞、簡単に言えば口からお尻の穴までの粘膜を強くします。
その酪酸を生み出す食物繊維群(ルミナコイド)の中で一番効率的に生み出すのがレジスタントスターチになります。
また基本的に食物繊維には種類があり、作用が違います、例えば葉野菜は不溶性食物繊維がメインになり、大豆、玉ねぎなどは不溶性とオリゴ糖、根野菜は不溶性や水溶性などになりますが、普段の食習慣では、どうしても水溶性食物繊維とレジスタントスターチが摂りにくくなっていることから、いつもお伝えしているのは、主食のご飯に大麦を何割か混ぜる、海藻やキノコ、豆を習慣的に多く摂ることです。
そして、その上でレジスタントスターチは湿熱処理済の確実に摂れる「レジスタ」をおススメしております。
まず食物繊維には種類があること
そして種類と量を摂ることが
健康において
もっとも
重要になります。
下記に弊社のレジスタパンフレット裏面、同封のチラシの解説を致します。
上記拡大表から分かる通り代表的な食物繊維の種類であるレジスタントスターチ、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖における腸内で産生される短鎖脂肪酸の種類の割合は下記になります。
◆レジスタントスターチは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約4:2:4
◆不溶性食物繊維の比率が多い小麦ふすまや黒米などは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約6:2:2
◆水溶性食物繊維の種類であるペクチンは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約7:2:1
◆水溶性食物繊維の種類であるグァーガムは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約6:3:2
◆水溶性食物繊維の比率が多いオーツブラウンや大麦などは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約6:2:2
◆オリゴ糖やオリゴ糖の比率が多い大豆などは酢酸とプロピオン酸、酪酸の比率が約8:1:1
このことからも上皮細胞(粘膜)などを強くする酪酸を効率よく
摂るためにはレジスタントスターチがベストであることが分かります。
また
こちらの上記拡大表から分かる通り代表的な食物繊維の種類であるレジスタントスターチ、水溶性・不溶性食物繊維、オリゴ糖などにおける腸内で元々お持ちの腸内細菌に分解される割合は下記になります。
◆レジスタントスターチ8~40◆食物繊維8~18◆オリゴ糖2~8◆ムチン(ネバネバ質)2~3
このことからも食物繊維よりレジスタントスターチ(難消化性でん粉)の方が
大腸へ流入する難消化性成分としての比重が高くベストであることが分かります。
<健康に「レジスタ(湿熱処理済レジスタントスターチ)」が良い主な理由>
上記二つの表からも分かる通り、
レジスタントスターチは、酪酸を一番効率的に生むだけでなく、
大腸で腸内細菌により一番多く分解されることで、
多くの有益な物質生み出すことが分かります。
それが主な理由になります。
レジスタは、湿熱処理加工により
熱による組成が変わることなく
レジスタントスターチを確実に摂ることを
可能にしています。
豆によるレジスタントスターチ(RS)の効果、有益性を発表したフロリダ州立大学(アメリカ)における昨年の論文(エビデンス)をご紹介します。(豆において微量のRS含有量にも関わらず効果が立証されています)
豆類における効果について
1)Resistant starches from dietary pulses modulate the gut metabolome in association with microbiome in a humanized murine model of ageing
公開日:2023年6月29日
食物パルス(豆類)からの耐性デンプン(レジスタントスターチ)は、高齢のヒト化マウスモデルにおけるマイクロバイオーム(腸内細菌叢) に関連して腸メタボローム(代謝物)を調節する
https://www.nature.com/articles/s41598-023-37036-w
フロリダ州立大学(米国)
フロリダ工科大学(米国)
掲載:ネイチャー(nature) イギリス
<概念>
新たな証拠は、植物ベースの繊維が豊富な食事は、より健康的な腸内微生物叢と微生物代謝産物を育成することによって、加齢に伴う健康を改善することを示唆している。
しかし食物パルス(豆類)からの耐性デンプン(レジスタントスターチ)のそのような効果とメカニズムは、未調査のままです。
ここでは、ヒトマイクロバイオーム(腸内細菌叢)を運ぶ高齢(60週齢)マウスの腸メタボローム(代謝物)に対する食物パルス由来耐性デンプン(RS:レジスタントスターチ)のプレバイオティクス効果を調べます。
腸のメタボロームとそのマイクロバイオームとの関連は、ピント豆(PTB)、黒目豆(BEP)、レンズ豆(LEN)、ひよこ豆(CKP)、またはイヌリン(INU)からRSで強化(5%w/w)された西洋式の食事(コントロール;CTL)を20週間与えた後に検査されます。
NMR分光法ベースの非標的代謝分析は、異なるRSグループ間の特定の代謝産物の表現型の違いを結びつける差分存在量をもたらす。
LENとCKPはブチレート(酪酸)を増加させ、INUはプロピオン酸塩を促進する。
逆に胆汁酸とコレステロールは、LENとCKPによって抑制されたコリンからトリメチルアミンへの変換とともにプレバイオティクス群で減少しますが、アミノ酸代謝は正に変化します。
マルチオミクスマイクロバイオームとメタボロームの相互作用は、有益な代謝産物とLactobacilliグループ、Bacteroides、Dubosiella、Parasutterella、Parabacteroidesとの関連を明らかにし、有害な代謝物はButyricimonas、Faecalibaculum、Colidextribacter、Enterococcus、Akkermansia、Odoribacter、およびBilophilaと相関します。
これらの知見は、腸内微生物代謝に対するパルス由来のRS(レジスタントスターチ)の機能的効果と、高齢の宿主における有益な生理学的反応を示しています。
※プレバイオティクスは「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分」と定義されます。
2)Prebiotic mechanisms of resistant starches from dietary beans and pulses on gut microbiome and metabolic health in a humanized murine model of aging
ヒト化マウス老化モデルにおける腸内微生物叢と代謝の健康に対する、食用豆および豆類からの難消化性デンプン(RS)のプレバイオティクス機構
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2023.1106463/full
オリジナルの研究記事
2023 年 2 月 7 日
秒栄養と微生物
フロリダ州立大学(アメリカ)
結論として、我々の研究は、ヒトのマイクロバイオームと老化の前臨床モデルにおいて腸内マイクロバイオーム構造を積極的に調節し、腸上皮バリアの完全性を強化し、炎症を軽減する、食餌由来RS(レジスタントスターチ)のプレバイオティクスの可能性に関する新たな洞察を提供するものである。
我々の発見は、またRS(レジスタントスターチ)のプレバイオティクス効果が宿主の性別によって異なることを示しており、機能性食品によって付与される健康強調表示の普遍性を確立するために重要である、マイクロバイオーム、免疫および代謝レベルでの性的二形性の役割をさらに強調している。
しかし調査された影響は特定の豆や豆類からのRS(レジスタントスターチ)に特有のものであり、異なる豆類の品種に関連する構造の違いを考慮すると理解できます。
それにもかかわらず、この研究から蓄積された証拠に基づくと、LENとCKPは腸内微生物叢の調節と代謝の健康の改善においてより好ましい結果をもたらすようです。
それでも微生物のメタボローム配列およびトランスクリプトーム配列の全体的な変化を解明するさらなる研究は、RS(レジスタントスターチ)が宿主の健康に及ぼす直接的な機能的影響を確認する上で、非常に興味深く重要となるであろう。
今後の取り組みは、代謝障害を予防するために性的二型腸内微生物叢を正確に標的とするために、RS(レジスタントスターチ)の微細構造の違いを理解することにも向けられるだろう。
以上のことからも
食物繊維には種類があること、
そして種類と量を摂ることが健康において
もっとも重要になることを意識した
食習慣、健康習慣をおススメします。