2020年12月3日
昨今の足トラブル、浮き指、外反母趾、偏平足、内反小趾、巻き爪などが
足指握力(足趾把持力)の低下でなぜ起こるかを考察します。
主な足のトラブルである浮き指・外反母趾とは
昨今、主な足のトラブルとして浮き指、外反母趾、また偏平足、内反小趾、巻き爪などがあります。
<浮き指>
足指が地面に接していない、地面に足指がつかないで立っている、歩いていることであり、足指の握力も弱く、踏ん張れていない状態のこと
チェック方法:上から見てもほとんど分からないことから足指のちからを抜いた状態で、足の親指を上に反らせた時に90度以上になると目安として浮き指であるとされている。
浮き指の方は、巻き爪にもなっている可能性が高い。
<外反母趾>
足の親指が小指側に15度以上曲がった状態のこと
チェック方法:足指のちからを抜いた状態で、親指が小指側に15度以上曲がっていると目安として外反母趾であるとされている。
外反母趾の方は、偏平足になっている可能性が高い。
足趾把持力(足指握力)と足トラブル(浮き指、外反母趾)との関係を考察
まだ箸をうまく使えない幼児が口に手で食べ物を運ぶときに、必ず足指が手の指に同調して動くことからも、人間の手足は本来、同じ機能を持っていて、足指も手の指と同様に掴む動作が重要であることが考えられます。
人間が持続的な直立二足歩行を行っていたことが判明したのが、およそ365万年前の南・東アフリカ出土の猿人(アウストラロピテクス)、日本において、歴史上、農家出身の家系が昔は、6~7割以上と言われ、昭和30年くらいまでは、農業に従事されている多くの方は裸足かあるいは草履や足半(あしなか)を履いて農作業を行っており、また漁業などでも使用されていました。
その理由は、裸足や足半(あしなか)のほうが、足指で地面を掴みやすく、罐や鍬に力を入れて振ることが出来たからとされております。
足半(あしなか)は、足の長さの半分くらいの藁製の履き物で、材質や作りから水に濡れてもすべらないという利点があり、足半は、芯縄が台部の中を通って台部の先端から引き出されて横鼻緒と上で結び合わされているもので、草履とは構造が全く違う履き物です。足半を履くと足指が地面にはみ出して、足の蹴り出しが強くなるし、跳躍もしやすいことから、鎌倉時代の絵巻物「春日権現験記」などにも武士が戦闘の場面で足半を履いていることが判明しており、当時は、普段でも裸足や草履などを外で使い、和室や木の廊下の多い家の中では、裸足で過ごしていたとされています。
そのような生活環境において、普段から足指で踏ん張る習慣があったとされ、欧米人と違い、昔の日本人は、靴を履くことが少なく、家の中で裸足でいることが多いことから、偏平足や外反母趾、浮き指が少なかったと言われており、現代の日本人は、外で靴を履くことが習慣になっていることからも偏平足や外反母趾、浮き指が起こる原因として考えられることは、靴の中で締め付けられることによる足指の動きの制限や足指を使えないことからの足指握力(足趾把持力)の低下、また足裏アーチの低平化、いわゆる足裏アーチが落ちることによって起こることが大きな原因の一つとされています。
さらに詳しく言うと、人間が歩くときは足指で蹴り出して前に進む、このときに足指を開きながら地面を掴むようにして踏ん張ります。靴を履いて歩く時でも、足指で靴の中底を掴むようにして蹴り出しが行われますが、裸足で地面を掴んで蹴り出すように足指に力を入れることができません。よって裸足の生活が短くなることでモノを掴むための足指握力(足趾把持力)の低下、また横アーチが活用されずに足裏アーチの低平化、つまり足裏アーチが落ちてくることに繋がることが考えられます。
そのことからも足指握力(足趾把持力)を鍛える、強化することで、浮き指や外反母趾、偏平足、内反小趾などの改善が期待できるものと推測されます。
つまり人間の手足は本来、同じ機能を持っていて、足指も手の指と同様に、掴むという動作をしていることから足指の掴む動作が人間のバランスを取っていることからも足指で掴む力、いわゆる足指握力(足趾把持力)が手の握力まではいかなくても、ある程度の力が必要であることが言えます。
足趾把持力(足指握力)と足トラブル(浮き指、外反母趾)との関係から導き出した答えは、足指握力(足趾把持力)をトレーニング、強化することで、足トラブル(浮き指、外反母趾、偏平足、内反小趾、その他)の改善が期待できるということになります。